神奈川県には怪事件と呼ばれる古くから伝わる話があります。ここでは昭和の初めのころ、現在の綾瀬市で起こった事件を紹介します。
男性が山王塚に通りかかると、しゃがんで泣いている娘を道端で見掛けました。どうしたのかと尋ねた途端、顔を突然上げ甲高い声で狂ったように笑い出しました。
見るとそれは、恐ろしい鬼女の顔でした。びっくり仰天して山谷という地区まで逃げ、大塚さんという家に飛び込みました。
訳を聞くと口をパクパク動かすだけで声が出ません。よほどのショックを受けていて、土間の隅でも一晩置いてくれということになりました。
その後に続く話はいくつもあります。白装束の人が二つ塚のそばで腹を切って死んでいると通報。警官が駆け付けますが、影も形もありません。
大谷峰では、すれ違った美人を見て思わず振り返ったところ。向こうも振り返りますが、それは耳まで口が裂けた狐の顔だったなど。
さまざまな話は後を絶ちませんでしたが、純朴な村人たちは狐の仕業と信じていたようです。
その頃、近くのある村に、美しい主家の娘に思いを寄せていた下男がいました。娘は亡くなりますが、下男は死に動転し葬式の翌晩、墓地から娘の死骸を持ち去りました。
このような奇怪な話もあり、神奈川県の怪事件が広まっていったようです。
何か気味が悪い話ですね。
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