大奥での怪事件も数多くの話が伝えられています。多いときには数千人という女性がいた大奥ですので、さまざまな事件がありました。そんな中からいくつか紹介します。
文政のころのこと、大奥でも下級の女中を指す御末のなかに「あらし」という名前の女性がいました。)5月15日の朝、「あらし」の姿が見えません。
周りはさして気にもとめませんでしたが、時間が経っても姿が見えないところから相部屋の御末が探し始めます。さらに時間が過ぎ夜半になりました。その頃には総出で捜すほどの大騒動になっています。
3日ほど経った5月18日の夜。
御天守台の下にいた警固番の耳に、「あらしはここに」という声が聞こえます。
そしていきなり落ちてきたのが「あらし」の無残な遺体でした。
10人ほどの番人が血だらけの「あらし」を目撃しましたが、女中が立ち入ってはいけない御天守台に上がったため、罰があたったと噂されるようになります。
続いては男子禁制の大奥で起こった、トイレの中に「赤ん坊」が産み落とされるという事件。
文政5年11月14日のこと。トイレ掃除を担当する人足がいつものように作業したところ、赤ん坊を見つけます。驚いた人足が報告し、かなりの騒動になります。
産んだ母親を探すことがはじまりますが、さっぱり見つかりません。しかし、ある下女が白状しすることで発覚します。
産んだのは前日で、驚くことに産んでからもそ知らぬ顔で過ごしていたといます。
この下女が妊娠したのは、大奥へと用いられる前のことでした。妊娠に気づかないまま時が過ぎ、処理に困った挙句の行動でした。
この下女はもちろんすぐに暇を出されました。大奥には色々な怪事件があるものですね。
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