江戸にも怪事件がいくつもありました。ここではそうした怪事件を紹介しましょう。ペリーが黒船でやってくる前の年、1852年(嘉永4年)の春のこと。
江戸でいう牛込から四谷にかけてのお寺で、不審な火事が相次いで起こるという事件がありました。
しばらく経った同じ年の夏に、またも四谷の「宗福寺」というお寺での不審火。この時は、お寺の小僧が不審人物を捕らえます。
その正体はというと、なんと武士。しかも、江戸の治安を守っている同心というからみんな驚愕します。
男の名は「小櫛金之助」。もちろんすぐに奉行所での取調べを受けることに。その供述から、火事に対する異常性が浮かび上がります。
1852年(嘉永4年)の春のこと。四谷での大火事で、火事現場近くの親戚の家に駆けつけたのが発端。小櫛は火事現場で湧き上がる高揚感や満足感から、火事にゾッコンになります。
火事が起きるとすぐに現場に駆けつけ、誰よりも熱心に働いたと言います。ほんのちょっとした「ボヤ」が起きるだけで「火事だ、火事だ」と大騒ぎ。ついたあだ名が「ぼや金」です。
ただ火事が多い江戸とはいえ、そうは都合よく起きません。「ぼや金」はしばらく火事がない日が続くと、我慢ができず自ら放火をしたのでした。
「小櫛金之助」が放火したのはお寺ばかり5件。しかも昼間の犯行です。理由は夜が怖いということで、昼間に人影の少ないお寺がうってつけだったとか。
獄門が決まりましたが、処刑の前に獄死した伝わっています。
なんか昔も今も変わらいような、江戸の怪事件ですね。
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